東海3場の注目株競う
5日から東海地区選手権
2024年2月5日6:00公開
蒲郡ボートで5日に開幕するG1「第69回東海地区選手権」(10日まで)。東海王者の座を目指すシリーズの中心を形成するのは初日12Rドリーム戦出場のトップ6だが、他にもVを狙える実力者や個性派レーサーはズラリそろっている。開催場の蒲郡を除く東海3場(とこなめ、浜名湖、津)の期待を背負って挑む注目株として、とこなめは鈴木勝博(40、愛知)、浜名湖は長嶋万記(42、静岡)、津は新田雄史(38、三重)の3人をピックアップ。
天才的なハンドルワーク 津・新田雄史
少数精鋭の三重勢にあってV候補に名前が挙がるのが新田。SG3冠、G13Vの実績を誇るが、意外にもまだ東海地区選手権を制したことはない。いずれも地元の津で開催された2013年の第58回、21年の第66回と2大会での優出はあるものの、実力を思えばやや物足りない結果だ。30代の後半に入り、レーサーとしての成熟期を迎えているだけに、地区選タイトルはVコレクションに是が非でも加えたい。
エースの井口とともに師弟で三重勢を長年けん引してきた。他選手が簡単にはまねできないと評する天才的なハンドルワークはボート界屈指のレベルで、的確なスタート力も併せ持つ。コース不問のスピードターンでコンスタントに上位を争って勝率7点台をキープし続け、21年前期適用勝率では、8点台をマークしたこともある。
2年前の8月に行われたSGメモリアル(浜名湖)優勝戦でフライングを切ったペナルティーで、SG、G1戦線から遠ざかって一般競走が主体だったが、G1復帰戦となった昨年9月の高松宮記念(住之江)で予選突破。SG復帰戦となった10月のダービー(蒲郡)も準優へ進出した。雌伏の時を経て心機一転、ブランクを感じさせない走りで再スタートを切っている。
今回の舞台となる蒲郡はダービー出場前の21年から一般競走で3節連続優出し、22年には2節連続Vを飾っている。通算では4回の優勝を挙げるなど水面相性は良好で、4年前の地区選でフライングに散った悔しさも晴らしたい。待望の東海チャンプへ機は熟している。さあ反転攻勢だ。
初の混合G1優出を狙う 浜名湖・長嶋万記
相性のいい水面で、大きな壁をぶち破る。女子4人が出場する今回の東海地区選。その一人である長嶋万記は自身初の混合G1優出を狙い、シリーズに挑む。
昨年は1つの壁を乗り越えた。2月に行われた第7回レディースオールスターで優勝。G2ながら、悲願でもある女子の主要タイトルの1つを初めて手に入れた。充実の年になった2023年は自己記録に迫る年間7回の優勝。11月にはもう1つの女子G2、レディースチャレンジカップも制し、SGグランプリシリーズ戦にも出場している。
今回の舞台の蒲郡はめっぽう強い。これまで23節走って約半分の12回優出。優勝も5回あるが、その中に先に挙げたレディースオールスターも含まれている。その抜群の相性の良さから「ガマシマ・マキ」と言われるほどで、過去8回出場した東海地区選でも舞台が蒲郡だった20年は予選を突破して準優勝戦に駒を進めている。
「以前、SGとか走らせてもらった時は上とのレベルの違いを痛感して、楽しさよりも怖さを感じたことがあった。でも、今はまたそこを走りたいし、楽しいと思えるようになっています」と長嶋は目を輝かせる。どんなグレードだろうが、1走、1走すべてに全力投球して、実績を積み重ねていくのが長嶋流。やはりレベルの高いG1、SG戦線でもっと自分を磨きたいという欲が出てきている。今年は3月のSGクラシック(戸田)切符も5年ぶりにつかんでいるが、まずはその前にハイレベルの東海地区選で結果を残し、余勢を駆って乗り込みたい。
エンターテイナーの正念場 とこなめ・鈴木勝博
ボート界のエンターテイナーといえば西山貴浩が思い浮かぶが、鈴木勝博も負けず劣らずの存在だ。プロレス好きで蒲郡の優出インタビューではドラゴンキッドの覆面をかぶって登場したり、内藤哲也ばりのマイクパフォーマンスでユーチューブに出演しファンを楽しませる。ちなみにドラゴンキッドは知多東高(現知多翔洋高)の先輩にあたり、当時の覆面はAmazonの特注でメキシコから購入したものだった。
そんな鈴木にとってこのG1は今年の試金石となるかもしれない。昨年は自身初のG3制覇となった11月の桐生・企業杯を含む優勝4回。秋に温水パイプが装着されて以降、調子を落としていたが、復調の手応えをつかむ1周2M、抜きでの逆転Vだった。
「それまでずっと直線での弱さが出ることが多く、調整を外していた感じがあった。優勝はラッキーでしたが、調整で工夫した分、ツボにはまった。そのあと年明けの下関(優出2着)で兆しは見えました」
同じ愛知の先輩でペラ巧者の柳沢一と意見を交わすようになり視界が開けた。最近は得意とする、まくりの決まり手も増え始め「蒲郡は足が苦しくても最低限は踏ん張れる場。楽しみが多い」と前を向く。
3月には41歳に。ちょうどデビューして20年たつ。苦しんだ昨年もあと2VできればSG切符がつかめていた。「一つ一つの積み重ねが将来につながる。ようやく答えが分かってきた。今回どれだけやれるか」と意気込み、「もうワンチャンいけるかな」と貪欲な姿勢を見せる。その視線の先にあるのは12年クラシック以来となるSG出場だ。