1号艇の石野貴之が2度目の優勝
住之江SGグランプリ
2023年12月25日6:00公開
大阪・住之江ボートのナイターSG「第38回グランプリ」は24日、最終日の12Rで優勝戦が行われ、1号艇の石野貴之(41、大阪)がインからコンマ12のトップSで逃げを決め、4大会ぶり2回目、SGは5月・オールスター以来となる通算11回目の優勝。SG通算V回数は山崎智也(引退)、瓜生正義に並ぶ歴代3位となり、賞金1億1000万円を獲得して今年の獲得賞金額は2億2203万円で、4年ぶりの年間賞金王に返り咲いた。11Rの「GPシリーズ」優勝戦は、2号艇の深谷知博が2コースからまくりを決め、昨年のチャレンジC以来となるSG通算3回目の優勝を飾った。
88号機との運命的な出会い
ベストパートナーとの運命的な出会いがVへのお膳立てを整えてくれた。ぶっちぎりの逃げ決着。石野が見事2度目の黄金ヘルメットを4年ぶりにかぶった。
5月の住之江GWシリーズで優勝。その際に「グランプリでこれを引きたい」と、手放しで絶賛していた88号機を前検日、4番目に抽選器を回した石野は「これを引くと思っていた」と有言実行のガッツポーズ。運命的な再会を果たした後は、敷かれたレールの上を走るように、誰もがうらやむ”王道”を駆け抜けた。
前日の優出インタビューで「本当に優勝するイメージはできているので、たぶん優勝します」と、超一流のアスリートだけが味わえる”ゾーン”に入っていた。石野がレバーを握った瞬間に「完璧に仕上がっていた」と、88号機は乗り手の呼びかけに反応する。起こした直後、スリットから先の足のみならず、1Mを回った後の強烈なターンの立ち上がりで、バックストレッチをぐいぐいと加速。10月のダービーで、SG復帰後即Vの離れ業をやってのけた最強ライバル・峰竜太の2コースからの攻めを一切寄せつけないワンマンショーだった。
この優勝で賞金は2億2200万円超に跳ね上がり、獲得賞金ランクは前日の6位から一躍、トップへ浮上。名実ともに2023年シーズンのナンバーワンレーサーとなった。「1度目の(グランプリ優勝は)無我夢中だったけど、今回はかなり成長できた一節間でした。来年はもうひとつ『強くなった石野』を見せたい!」。
”エンジンを出して勝つ”の単純明快かつ、最強のスタイルを完全に確立した石野が歩む覇道に待ったをかけるレーサーはいるのか―。新たに始まる24年シーズン。石野の走りを、誰もが固唾(かたず)をのんで見守っている。
石野貴之(いしの・たかゆき) 1982(昭和57)年6月3日生まれの41歳。166センチ、52キロ。血液型はO。大阪府東大阪市出身。近畿大学付属高等学校卒業。選手養成90期生、大阪支部所属。同期には吉田拡郎、赤坂俊輔、宇野弥生、長野壮志郎、森定晃史、渡辺雄一郎らがいる。2002年5月・住之江でデビュー(4着)。03年10月・宮島で初優勝。SGは05年・オールスター(とこなめ)で初出場。10年・オーシャンカップ(まるがめ)で初優勝。ほか、23年・グランプリ(住之江)などビッグ11冠。G19Vを含む通算優勝は68回。
悔しい限り 峰竜太
賞金トップを守って大会に臨んだ選出1位の峰竜太は2着。1号艇で妨害失格に散った2年前のファイナルの雪辱を果たすことはできなかった。「何もできなかった。悔しい限りです」。スリットでイン石野貴之に半艇身先行されてVを狙うには厳しい隊形になり、追走に徹するよりなかった。「仕上がりは抜群でした。ただ、Sが全然分からなかった」。ピット離れの乱れで不意に2コースになったことも苦戦の一因になったが「また来年、頑張ります」。来年もグランプリは住之江。前を向き、3年越しの雪辱を目指す。
磯部誠(3着)ダッシュから思い切って行くと決めて、直線に振る調整をした。100メートルから起こすようなペラではなかった。
茅原悠紀(4着)見せ場はつくれたし、全力は出せた。単騎ダッシュは想定内。足は良かった。来年も優勝しか目指しません。
池田浩二(5着)6コースにならないようにと思っていた。それでスタートが分からない起こしになったが、悔いなし! 仕上がりは納得の域ではあった。
平本真之(転覆)…。ピット離れが…。本番は大丈夫だと思ったけど、同じ症状が出てしまった。
2号艇の深谷知博がSG通算3勝目
GPシリーズ優勝戦
優出6人中、唯一のトライアル組だった深谷が意地を見せた。全艇スローと進入から火花が散った一戦は、本番で関が痛恨のドカ遅れ。スリットで関より1艇身以上前にいた2コースの深谷が難なくまくり、3度目のSG制覇。「グランプリから漏れてのシリーズ戦回りだけど、SGタイトルということに変わりはない。うれしいです」。大きく目尻を下げて、端正なマスクをほころばせた。
スリット隊形が味方し「運ですね」と強調したが、2コースまくりは差されやすい一面もある。その点も踏まえ「内に締め込まずに冷静に回れた」と、勝ちを急がなかったことで誰にも迫らせなかった。
「(来年3月の)クラシックの出場権を意識していたのでうれしい。来年はもっと力をつけて、年末(グランプリ)へ向かってまた頑張りたい」。深谷は最高峰の舞台への返り咲きを誓った。
深谷知博(ふかや・ともひろ) 1988(昭和63年)4月1日生まれの35歳。164センチ、52キロ。血液型はA。静岡県掛川市出身。県立磐田西高等学校卒業。選手養成103期生、静岡支部所属。同期には渡辺和将、小野生奈、古沢光紀、黒井達矢、秋元哲、金子賢志らがいる。2008年11月・浜名湖でデビュー(1着)。11年11月・芦屋で初優勝。SGは14年・ダービー(とこなめ)で初出場。20年・ダービー(大村)で初優勝。ほか、23年・GPシリーズ(住之江)などビッグ3冠。G12Vを含む通算優勝は43回。