片岡雅裕がチャレンジカップ優勝
レディースは長嶋万記
2023年11月27日6:00公開
福井県・三国ボートのSG第26回チャレンジカップは26日、最終日の12Rで優勝戦が行われ、1号艇の片岡雅裕(37、香川)がインからコンマ19のSで逃げを決め、2022年・メモリアル以来となるビッグ通算2回目の優勝。賞金3400万円を獲得して同ランクはレース直前の33位から10位に順位を上げ、逆転でGPメンバー入りした。
G2「第10回レディースチャレンジカップ」は11Rで優勝戦が行われ、3号艇の長嶋万記(42、静岡)が3コースからコンマ05のSでまくり差しを決め、2月・レディースオールスターに続くG2通算2回目の制覇。賞金460万円を獲得して、女子同ランクは3位をキープした。この結果、ナイターSG「第38回グランプリ」(住之江・12月19日~24日)及び、プレミアムG1「第12回クイーンズクライマックス」(多摩川・12月28日~31日)の出場選手が出そろった。
遅めのS「かえって良かったのかも」
SG初の優勝戦1号艇を手にしたプレッシャーを、ものともしなかった。インから力強く押し切った片岡が2度目のビッグタイトル獲得だ。
4号艇の今垣がピット離れで遅れ、詰めかけた7000人以上のファンから「あぁー」と落胆の声が漏れる。その今垣がスロー4コースを選択したことで、片岡の起こし位置はS展示より少し深くなってしまったが、それが功を奏した。全員がコンマ20前後の遅めのSタイミング。「進入が深くなって、かえって良かったのかも」。スリット上で見えたのは2コースの池田の姿だけ。余裕を持って1Mへ突入すると自分のターンをすることだけを心掛け、イメージ通りの旋回で後続を突き放し勝利を確信した。
昨年8月にメモリアルでSG初制覇した際には、2艇のフライングが発生した恵まれでのV。だが、今回は堂々とした優勝劇に「ちょっとおなかが痛くなる感じで緊張感はあったけど、絶対に勝つと自分に言い聞かせ続けた」と、強い気持ちでプレッシャーにも打ち勝った。
この勝利で賞金ランクは10位に急浮上。2年連続であこがれの舞台、グランプリ出場に手を届かせた。「またあの緊張感を味わいたいと思っていた。まずは鳴門と、まるがめの地元G1をしっかり走って、いいリズムのままで住之江に行きたい」。直前のSG戴冠でさらに自信をつけた昨年のグランプリファイナリストが次に目指すのは、グランプリでの優勝だ。
(瀬川剛司)
片岡雅裕(かたおか・まさひろ) 1986(昭和61)年2月11日生まれの37歳。155センチ、52キロ。血液型は。高知県幡多郡出身。県立中村高等学校卒業。選手養成101期生、香川支部所属。同期には篠崎仁志、大池佑来、守屋美穂、新田泰章、尾嶋一広、末永祐輝、北野輝季らがいる。2007年11月・まるがめでデビュー(6着)。10年3月・まるがめで初優勝。SGは13年・チャレンジC(津)で初出場。22年・メモリアル(浜名湖)で初優勝。ほか、23年・チャレンジCでビッグ2冠。G11Vを含む通算優勝は30回。
戦い終わって
峰竜太(2着) 仕上がりは良かった。スタートが行けていなかったですね。1マークは前(片岡)が見えたし、池田さんにもちょっと行かれていた。(賞金トップで)気持ち良くグランプリに行けます。
茅原悠紀(3着) 優勝はできなかったけど最善は尽くした。展示タイムも出たし、1マークはすごくいい感じで入れて、最後の仕上がりはかなり良かった。
山口剛(4着) 進入は想定外。ただ、どのみちまくり差しだと思っていたし、今垣さんもしっかり差していてコースが空いていなかったから仕方がない。
池田浩二(5着) ❶(片岡)がしっかりしているし、❸(峰)には分かっていてもまくり差されちゃう。仕方ないね。進入が乱れてスタートも行き切れなかった。足は全然問題なかった。
今垣光太郎(6着) ピット離れで遅れたのは伸びをつける調整にした分。チルトマイナスなら大丈夫だろうと思ったけど駄目でした。スタートも遅かったし、レースが情けなかった。
グランプリ出場18人が決まる
グランプリ切符をかけた「第26回チャレンジカップ」が26日に終了。「第38回グランプリ」に出場するベスト18が出そろった。
25日までに賞金ランク15位の中島孝平までが当確。最終日は残り3枠をめぐる争いとなったが、最初に勝負駆けを成功させたのは菊地孝平。8Rの選抜B戦でイン速攻を決め1着賞金220万円を加算。前日の同19位から一気に3人を抜き、優勝戦で下位からの突き上げも2人以下だったため18位以上を確定させた。
優勝戦は2着以上の条件だった片岡雅裕がインから逃げて優勝。賞金3400万円を加え、11R終了後は同33位にいたが、同10位までジャンプアップ。6着の今垣光太郎も700万円の賞金を得て同22位から同17位へ浮上し、出場権をつかんだ。TR2nd1回戦の1号艇は賞金ランク1位の峰竜太と同2位の馬場貴也。茅原悠紀、石野貴之、磯部誠に優勝戦5着だった池田浩二が8位から浮上して、シード権を獲得した。
「第12回クイーンズクライマックス」出場メンバーは最終日を前に11人が当確。最後の切符を大滝明日香、海野ゆかり、藤原菜希が争ったが、女子賞金ランク15位から逆転を狙う海野は1R5着となった時点で脱落。11Rで優勝条件の藤原も6着に終わり、大滝が12位の座を守り切った。TR1回戦は遠藤エミと守屋美穂が1号艇になる。
「背番号3の長嶋」は強かった
「背番号3の長嶋」は強かった。3号艇の長嶋が、3コースから鮮やかなまくり差しで大本命の守屋を撃破した。前日に「3コースは苦手。でも、長嶋茂雄さんの3なのでうまくなりたい」と話したのがうそのよう。「あのように全速で差すレースしか頭になかった」。思い通りのターンを演じた。
イメトレの成果だ。前夜はレース録画を見て頭にたたき込んだ。「峰竜太君のまくり差しの映像を持ってきた。いつものくせで1マークはレバーを落としそうになったけど、それでは記念では通用しない」。ぐっとこらえ、過去の自分を超えるターンを生み出した。
今までタイトルに無縁だったのに、今年だけで2度のG2制覇。グランプリシリーズ出場権も手にした。「私は意識しない方が取れますね。SGや記念には怖さの方が強いけど、それを乗り越える姿を見せるのも使命。自分の歩幅で階段を上がっていく」。不屈の精神がファンに支持される理由。無意識で臨み、年末の2連戦も大仕事を見せる。
(深堀慎一郎)