西山貴浩、悲願のSG制覇
徳山・オーシャンカップ
2025年7月28日12:00公開
山口県・徳山ボートのSG「第30回オーシャンカップ」は最終日の27日、12Rで優勝戦が行われた。1号艇で人気を集めた西山貴浩(38)=福岡=がインからコンマ11のトップSを決めてイン速攻。苦節20年目、通算7回目のSG優出にして悲願のSG制覇を果たした。西山は優勝賞金3700万円を加えて賞金ランク4位に浮上、年末のグランプリ出場に大きく前進した。2周1Mの全速戦で逆転した馬場貴也が2着、3着は河合佑樹が入った。
西山コールの大合唱
こんなシーンはボートレースで記憶にない。レースを終えてピットへ帰投する西山に待っていたのは仲間たちの祝福だけでなく、詰めかけた場内ファンからの西山コール。何度となく響く「ニッシヤマ!」「ニッシヤマ!」の大合唱にも迎えられた西山は、もっとくれとあおるしぐさをした後に、右手で何度もガッツポーズを繰り返した。
それだけ自身もファンも待ち望んだ瞬間だった。2005年11月のデビューから苦節20年。7度目のSGファイナルで、初めて座った1号艇の重圧はもちろんあったろう。「ホッとしました。Sを入れることだけ考えていた。1周1Mで『やった!』と思った」。SGでのスタート罰則規定も厳しくなる中で、極限まで集中力を高めてコンマ11のトップS。ライバルたちに攻める隙を与えず押し切った。
誰も認める艇界のエンターテイナー。ファン投票上位が選出されるSGオールスターのドリーム戦には5年連続で選出もされている。トップクラスの人気を誇るが、自身にとって過度な人気先行はプレッシャーでもあった。「ずっと思ってましたよ。足りないのはSGタイトルだって」。20年にこの徳山でG1初優勝、そして再び同じ舞台でもう一つ上の勝利を手にした。今年の年頭にはタイトル奪取を明確な目標とし家族や仲間たちにも宣言。まさに有言実行だった。
優勝賞金3700万円を加え、今年の賞金ランクは一気に4位に浮上。年末のグランプリ切符もほぼ当確ランプが灯ったが「そんな先のことは考えません。目の前の一走。次の三国周年のドリーム戦で池田浩二に頭を叩かれないようにするだけ」とジョークも交え、まずは次走に集中する。ユーモアの中にあるレースへの真摯(しんし)な姿勢こそ西山の一番の魅力。だからこそ、ファンの心をしっかりつかんで離さないのだろう。
(大久保晋)
西山貴浩(にしやま・たかひろ) 1987(昭和63)年5月15日生まれの38歳。169センチ、53キロ。血液型はA。福岡県北九州市出身。福岡県立八幡工業高等学校中退。選手養成97期生、福岡支部所属。同期には長岡良也、田中和也、柳生泰二、土屋智則、山口達也らがいる。05年11月・若松でデビュー(3着)。08年9月・若松で初優勝。SG初出場は11年・チャレンジカップ(大村)。25年・オーシャンカップ(徳山)でビッグ初優勝。G14Vを含む通算優勝は52回。
力振り絞り4着 佐藤翼
SGファイナル8度目の挑戦でも手が届かなかった。優勝戦4号艇で臨んだ佐藤翼はカドからコンマ16のSを放つが「(スリット)手前で放ってしまった」。伸びを欠き、1Mで河合に張られ、大きく外に流れてしまい優勝争いから後退した。それでも愛機を信じ、最後まで前を追いかけ、3周2Mでは中島を抜いて4着。最後まで力を出し切れたことで「足は納得の感じだった。また次ですね。頑張ります」と、さばさばした表情を見せた。SG初制覇の夢は持ち越しとなったが、この経験は必ず次に生きるはずだ。
【戦い終わって】
馬場貴也(2着)出足も良くいい仕上がりだった。ファンが盛り上がるかなと思い、2周1Mは捨て身で思い切り行きました。
河合佑樹(3着)外に行かれたら終わりと思って攻めたけど、調整は完全には合っていなかった。自分らしいレースができたかは疑問だけど課題にしたい。
中島孝平(5着)仕上がりは良かったと思いますよ。道中は佐藤君に逆転されて…。ああいうところがダメですよね。
羽野直也(6着)本番では回転が上がり過ぎていた。差しても1着には届かなかっただろうね。西山さんは完璧なターンだった。
売り上げ目標を達成 「第30回オーシャンカップ」を開催した徳山ボートは、6日間で142億6063万9600円(返還額358万8000円)を売り上げ、目標額の140億円を上回った。